「秋、私BLTサンド」
「はいよ」
秋の弟…夏の席からひとつイスを挟んだ席に腰かけた。
「なぁなぁ、君さ、愛ちゃん?だっけ
俺のバンドでボーカルやんない?」
またこの男は…
落ち着いて飯も食えねえ…
ひとつ息を吐いて、力を込めて言った。
「や・ら・な・い」
「でも俺のバンドにはそのハスキーボイスがピッタリなんだよなー」
「それがどうした」
「冷てーなー」
「はい、BLTサンドおまち」
歌はフツーに好きだ。
カラオケだって行く。
だけどそれだけだ。
ボーカルに興味なんてないし、そんなことしてるほど暇でもなかった。