手に持っていたマグカップを口に運ぶ。
美憂が淹れてくれたコーヒー。
「あれっ?愛、ミルクとシュガーは?」
「あー、ブラックが好きだから」
「えー!すごい!大人!
私なんてミルクもシュガーもいっぱい入れないと飲めないのにー」
「お子様ですからねー、美憂は」
「うるさい涼夜ー」
涼夜は子供みたいに下を出して、美憂をからかう。
まるで小学生が好きな女の子にちょっかいを出すように。
はたから見てるとおもしろい。
「あー、こいつら、いつもこんなんだから」
「……っふ、ふふ」
思わず笑いがこぼれでてしまう。
最近、こんなに人と喋ったりしなかったから、なんか普通のことが嬉しくて。
この人たちと一緒にいれば、毎日が楽しくなるような気がした。

