「あっ!いらっしゃーい♪」
入った瞬間、女の子らしい甲高い声が響いた。
「この子が夏の言ってた子か」
それに続けて、男らしい低い声。
嬉しそうに夏は私の紹介を始めた。
「愛っていうんだ!」
「…ども」
ペコッと会釈程度に頭を下げた。
見たところ、悪い人たちじゃなさそうだ。
むしろ優しそう。
最初に話しかけてきた女の子は、美憂(みゆう)。
小柄でショートの可愛らしい子。
もう一人の男は、涼夜(りょうや)。
とりあえず、美少年。イケメン。
切れ長でまっすぐな目の持ち主だ。
「ちょっと口が悪い女だけど、いいやつだから」
「余計なこと言うんじゃねーよ…」
わざと言う夏に少し突っ込むと、二人がクスッと笑った。
もう、この男っぽい口調は直らねーんだから仕方ないだろって言うと、また、顔を見合わせて笑うんだ。

