瑞希くんを探し始めて10分ぐらいが過ぎた。
けど、瑞希くんは学校内のどこにもいない…。

瑞希くん…、どこに行っちゃったんだろう…。
まだ、帰ってはないと思うんだけど…。
もしかして…、まだ授業かな…?

瑞希くんは、特進クラスだから
7時間目がある。
そして、今はちょうど7時間目の時間帯…。

でも…、瑞希くんのクラスにもいなかったよ…?
本当にどこ行っちゃったんだろう…?

その時、誰かが私の名前を呼んだ。

「ー…藤崎…?」

「え…?」

振り返ると…遼くんが立っていた。

「遼くん…?
え…?さっき…私の名前…呼んだ…?」

「え?あぁ…。
なんで、そんな不思議そうな顔するんだよ…?」

「だって…、遼くんが私の名前知ってると思わなくて…。」

私が遼くんの名前を知ってるとしても…
遼くんが私の名前を知ってるハズがないのに…。

「あぁ…、いっつも瑞希がお前の話をしてるから…。」

「え…?」

瑞希くんが私のことを…?

「もしかして…、瑞希のこと探してる?」

「うん…。」

遼くんって意外に鋭い…。

「瑞希ならー」
「おい、遼。誰と話してるんだよ?」

遼くんと誰かの声が重なった。