祈るように・・・



「柚杏…。昨日のことなんだけど。」


帰る支度をしていると歌帆がきた。


「うん。わかっているよー。」

私は歌帆にピースサインをした。


「ありがとう。本当に巻き込んでごめん。」


…。

歌帆はうつむいた。

「いいって!さ、帰り道で恭、待ってよ!」


私は鞄を担ぐとドアに走って行った。

この時私は聞こえなかった。


「柚杏…好きって気づいてるよ?」


歌帆の声を…。