「あのさ…。さっきのことだけど…。」

「…。」


休み時間に入ってから恭はまた その話を持ち出した。


「聞きたくない…。」

「聞けって!」


私は耳をいっぱいに押さえた。


「おい、」


「…!」


恭は私の腕を掴んだ。

耳から放される私の腕。

「悪い。痛かったか?」

「大丈夫。」

そんなに強い力じゃなかった。


「やめたれ、嫌がってんじゃん。」



橙夜くん…。


「ちっ…。」


恭はまたもや不満そうにしてどっか行ってしまった。


「藤野。恭には、近づくな。」

「え…?橙夜くん。なんでそんなこと言うの?」

悪く言わないで…。


「なんでもねえ…。」

橙夜くんもどっか行ってしまった。