「嘘、今の好きな人のおかげで一年吹っ切れなかったのに吹っ切れた。」


ズキ…。

恭はすごく幸せそうな顔をするから。

相手も知らないけどその誰かに嫉妬してる。


「だから、教えて…?」

「…!」


恭の顔は切なくて教えてしまいそうになった。


「い…や。」


やっと断れた。

危うく、言ってしまいそうだった。


「ここまで言ってんのに…。」

恭は呆れたため息をついた。

「じゃあ、俺の好きな奴聞いて?」

「聞くだけでいいの?」

でも、聞いたら絶対失恋確実。

どうする…。


「俺の好きな奴は…。」

その時だった。

『はい、授業終わり。』

先生が挨拶をしてしまったんだ。


助かったような、助かってないような…。

恭は不満そう…。