柚杏side


歌帆の話しを全部聞いた。


恭が私のこと好きだったなんて…。


知らなかった。


そんなに長い間好かれたのか…。


「本当にごめんね。私が言わなかったから…。」


「関係ないよ。聞いてあげたら良かったんだよ。」


あの時、話しをちゃんと聞いてあげられたら…。


でも、もう振り返らない。


「私も歌帆みたいに前に進みたいから振り返らない。」


「…。うん。そうだね。」


バスから見える青空は綺麗で前に進めそうだ。