それからも時々、

噴水の前を通る度にサーカスのテントがあることや、

美智子の姿があることを密かに期待しているときがある。

やっぱり美智子を失った痛手は一生忘れることはないだろう。

そして喧嘩して彼女を交通事故で失ってしまったあの日も

決して忘れることはないのだ。

忘れてはいけないことだ。

しかし過去は変わることはなくても、

過去を見つめる僕は変わることができるかも知れない。