「あの日がなければって、今でも思うときがある。あの日がなければ…」

「今でも私たちは一緒にいられたかな?」

「…どうだろう」

「今の彼女はどんな人?」

「何だ。…知ってたのか」

「そりゃあね」

彼女は寂しそうな笑いをうかべた。

「やさしい子だよ。一緒にいて安心するよ。美智子が死んでから初めて心から好きになれた女の子だ。」

「…好きなんだ」

「うん、好きだよ」

「…じゃあ、なんでここに来たの?」