僕がその奇妙な体験をしたのは、8月も中旬をすぎた、ある暑い日のことだった。

僕の家の近所には大きな緑地公園がある。

普段が散歩やジョギングをする人たちでにぎわうのだが、僕自身は家までの近道なのでいつも公園の中を通っていた。

その日も夕方に仕事を終えて家まで帰ろうとする途中、いつものように公園を歩いていると、見慣れないテントがあることにきづいた。

「…へぇ、サーカスか」