やっぱり、好きだ。



 「・・・言い訳も、本当の事を言ってもサヤ子に嫌な思いをさせるだけだから・・・なんて弁解すればいいのか分からない。ただ、俺が全部悪いのは間違いなくて、サヤ子は絶対に何一つ悪くないんだ」

 青山くんが、くしゃっと頭を掻いた。

「・・・ありがとう。やっぱり、青山くんは優しいね」

  気を遣われる度に、切なくて仕方がない。

  青山くんの方を見ることなくテスト問題を作る事に集中した。

 そうでもしないと泣いてしまいそうだったから。

 青山くんも言葉を発することなくパソコンを叩いた。

 しばらくすると、

 「サヤ子・・・頑張ってるとこ悪いんだけど・・・サヤ子の作った問題、基礎問ばっかじゃない?? これだと、平均点が90点超える」

 青山くんが頬杖をつきながら私のパソコンを覗いた。

 「・・・問題作るのって、解くより難しいですね」

 教職って、やっぱり大変なんだなぁ・・・。

 私なんかがしゃしゃり出て手伝える程簡単な仕事じゃなかった。