やっぱり、好きだ。


 「・・・覚えてないのに手伝うって言ったの??」

 呆れるというよりは、引き気味の青山くん。

 「・・・コピーとかなら・・・」

 苦し紛れに提案を絞り出すも、

 「テスト問題はやる直前にコピーするから」

 青山くんにアッサリ却下された。

 そりゃあ、そうですよね。

 ・・・・ちょっと待てよ?? 私、普通に高校卒業してるんだから、教科書見れば思い出すんじゃん??

 とりあえず数Ⅰの教科書を手に取り、開いてみる。

 「青山先生は2年生のテストから作って下さい。私、思い出しますから!! 印ついてるところから問題出せばいいんですよね??」

 「・・・サヤ子、大丈夫?」

 青山くんの苦笑いに苦々しさが増す。

 「やってみます」

 気合を入れ、少し目にかかる前髪をピンで留めた。