やっぱり、好きだ。

 

 「・・・制服を取りに行けなかった子たちが、虐めをしていた子を見つけてくれたんですか??」

 青山くんに甘えるわけにいかないから、気になっていた事に話を逸らす。

 「みたいだな」

 「なんで・・・青山先生もみんなも1人残らず優しいんでしょう」

 素直な感想を言ったのだけど、なんか日本語変だったかも・・・。

 「日本語、下手??」

 青山くんに苦笑いされながら突っ込まれた。思わず私も苦笑い。

 「まあ、今からやるのは数学だから多少の日本語が分かれば大丈夫。てゆーか、公式とかまだ覚えてんの??」

 「・・・・・」

 私を小馬鹿にした青山くんの問いかけに、苦笑いアゲイン。

 公式など、覚えてるわけがない。高校卒業して10年以上経ってるんだから。綺麗サッパリ忘れ去っている。