「『吉村』はもう大丈夫。でも、ターゲット替わって違う誰かになるかもな。受験とか恋愛とかでストレス溜まってるヤツ等が、イジメ易いヤツ見つけては虐めてるだけだからなー」
『ほんとにしょうもない』と小さく息を吐く青山くん。
「イジメって、どうしてなくならないんでしょうね。どうしたらなくなるんでしょうか」
青山くんにつられてか、私の口からも溜息が出る。
「それが分かれば苦労しないんだけどな、今度なんかあったら俺に言って。協力するから。遠慮なく頼って欲しい」
青山くんの話を聞いて一気にテンションを下げた私を気にしてか、励ます様に優しい言葉をくれる青山くん。
「何もないといいんですけどね」
『ありがとう』とも『お願いします』とも言えない。
調子に乗って慣れなれしくしてはいけない。
もう、嫌われたくない。



