やっぱり、好きだ。

 


 
 吉村さんが保健室を去ると、

 「じゃあ、始めますか」

  青山くんが腕を上にあげ、背中を伸ばし、軽いストレッチをすると、早速テスト問題を作る態勢を整えた。

 「あの。青山先生、ありがとうございました。私、何も出来なくて・・・」

 パソコンを立ち上げる青山くんの傍に行き、頭を下げると

 「何も出来てなくないじゃん。今から生徒と俺の教え子と俺の為にテスト問題作るんでしょ??」

  青山くんが下げたままの私の頭の上に『ポン』っと手を置いた。

 私は今、テスト問題を作っている場合なのだろうか。だって、

 「吉村さん、本当に大丈夫なんでしょうか」

 やっぱり吉村さんが心配だ。1人で帰らせたりして良かったのだろうか。