やっぱり、好きだ。

 
 「『大丈夫じゃなーい!!』て。もうちょい教師らしい言葉とテンション選べなかった??」

 扉が開き、パソコンと私が持ちきれなかった制服等を持った青山くんが入って来た。

 あ、鍵かけ忘れてた。

 「サヤ子先生、どこ行くの?? 俺の手伝いするんじゃないの??」

  私たちの方にやって来ると、近くのテーブルに『よいしょ』と言いながら荷物を置く青山くん。

 「すぐ戻りますから」

 ヤバイ。青山くん、どのあたりから話聞いてたんだろう。てゆーか、この状態見られたら、もういじめられている生徒が吉村さんってバレバレじゃん。

 『バレちゃいました。実は吉村さんの名前以外バラしてました。ごめんなさい』と吉村さんに謝ろうとした時、

 「1年1組の吉村沙織さん??」

 青山くんが吉村さんに近寄り、声を掛けた。

 「・・・はい」

  小さな声で返事をする吉村さん。