やっぱり、好きだ。

 



 資料室に戻ると、既にみんなが揃っていた。

 「お・・・遅くなってしまってごめんなさい!!」

  お願いしてる立場のくせに、何を余裕ぶっこいて時間通りに来ているんだ、私。

 勢いよく頭を下げると、

 「遅くないじゃん。うちらが早く来ただけ。・・・それより、ちょと集めすぎたかも・・・。困ってる生徒が男子か女子か聞き忘れたから・・・」

  1人の女の子が苦笑いしながら机を指さした。机の上には男女それぞれの制服と体操服が5、6着と教科書が山積みになっていた。

  重かっただろうなぁ・・・。なんて有難い。

  「本当にありがとうございます。今、必要なのは1人分ですけど、予備はあるに越した事はないので助かりました。あの、お礼させて下さい!!」

 グスグスと鼻を啜りながら、今度は謝罪ではなく感謝の気持ちで頭を下げる。 人の優しさに触れると、どうも涙腺が緩んでしまう。