「青山先生の教え子さんたち、みんなイイ子ですね。優しくて、明るくて、ノリ良くて」
知らないおばさんの私なんかの話を快く聞いてくれた青山くんの教え子さんたちの後ろ姿を眺めながら、嬉しくて顔を綻ばせていると、
「だろ。生徒に恵まれた」
隣で青山くんも嬉しそうに笑った。
「みんなも『先生に恵まれた』って思ってますよ。きっと」
そんな青山くんを見上げて笑いかけるも、
「嬉しい事言ってくれますね。制服もらえるからって」
青山くんにいじわるな顔をされた。
「・・・本当に、そういう下心なく思ったんですよ」
嘘でも、お世辞を言ったつもりもなかったのに。青山くんの教え子さんたち、楽しそうに青山くんとお喋りしていたし、青山くんを慕っているんだなって思ったからなのに。
青山くんを見上げていた顔を、伏せる様に俯くと、
「うん。知ってる。サヤ子はそういうヤツ。ちょっといじわるしたかっただけ」
青山くんが私の頭をポンポンと撫でた。
たちまちに熱くなる脳天。
高校の時、青山くんに恋をしたあの感覚が蘇る。
ダメだ。2人きりはダメだ。好きになってしまう。ストーカーになってしまう。
1回ここ出よう。そう思っていたのに、



