サヤ子に謝ろう。もうサヤ子の幸せの邪魔はしない。
お尻のポケットから携帯を抜き取り、サヤ子にかける。
「・・・青山くん??」
5コールでサヤ子に繋がった。
久々の俺からの電話に少し驚いたような声を出すサヤ子。
「サヤ子、今どこ??」
構内にいるのか、いないのか。いるならどの辺にいるのかを聞いたつもりだったが、
「H大にいるけど・・・」
サヤ子から想定外の返事をされた。
「なんでH大にいんの??」
訳が分からない。学祭の時期じゃないし、H大のサークルにでも入ったのだろうか。
「国内交換留学で・・・。森田くんから聞いてない??」
聞いた事もない制度を口にするサヤ子。なんなんだよ、それ。ますます訳が分からない。てゆーか、また逃げたな、サヤ子。



