やっぱり、好きだ。

 

 食事が済み、パスタ屋を出ると、サヤ子が通ってた道を散歩した。

 サヤ子の留学の話、看護師の頃の話。俺の大学院の頃の話、教師になってからの話。手を繋いで歩きながら、お互いの知らない時間を埋める。

 全然話が尽きなくて、それどころか話足りなくて、時間を忘れて楽しい時間を過ごしていた・・・ら、夕方になっていた事に気付く。俺ら、どんだけ??

 サラさんの家に帰ると、手を繋いだままだったらを俺見て、ダンさんがニヤニヤしながら自分の肘を『このこのッ』と言わんばかりに俺に擦りつけてきた。

 この世代の人間は、アメリカ人でも『このこの』ってやるんだな。

 俺の背中をカッコイイ言葉で押してくれたはずのダンさんは、夕食時でさえニヤニヤが止まらず、ついにはサラさんにおでこを叩かれる始末。

 ・・・いいなぁ、この夫婦。