やっぱり、好きだ。

 

 「・・・しょ・・・翔・・・無理でしょ。今更無理でしょ」

 名前を言いかけて拒否するサヤ子。

 なんで『好き』って言えて『翔太』は言えないんだよ。

 「無理無理ムリムリ。ずっと『青山くん』とか絶対嫌」

 ここで『青山くん』を容認してしまったら、これから先も『青山くん』のままになってしまう。

  「・・・翔・・・名前呼んだら、昨日撮ったキョドリ顔の写真消してくれる??」

 何だかんだ理由をつけて俺を名前で呼ぼうとしないサヤ子。

  「分かった。写真はこれからいっぱい撮れるしな」

 サヤ子の頭を『ポンポン』と撫でると、サヤ子は『ヴゥん、あー、あー、あー』と喉を慣らし始めた。かと思えば『ふーふー』深呼吸し始めるし。

 名前呼ぶのって告白するより緊張するの??

 今にも血が吹き出しそうなほど真っ赤な顔のサヤ子が口を開いた。



 「・・・・・・しょう・・・た」