やっぱり、好きだ。

 「・・・勝手」

 「・・・サヤ子??」

 ゆっくり顔を上げると、サヤ子が涙目で怒った表情をしていた。

 「浮気されて、迷惑がられて、それでも好きだった私の気持ちなんか分かんないでしょ!!?」

 サヤ子が両手で俺のシャツを掴んだ。

 「青山くんと同じ職場になって、普通に接してくれるのが嬉しくて、もう気持ち悪がられたくなくて、好きになっちゃいそうなの堪えて・・・」

 みるみる真っ赤になるサヤ子の顔。

 「昨日、嬉しかったのに・・・また辛い想いするのが嫌で・・・思い出しただけで苦しくて・・・・」

 サヤ子が更に強く俺のシャツを握り締める。 

 サヤ子の唇が小さく震えている。

 その唇が、ゆっくり動いた。




 「・・・振らなきゃダメ??・・・私・・・・ やっぱり、青山くんが・・・好きだ」