やっぱり、好きだ。

 
 「WE CAN NOT CHANGE THE PAST BUT YOU CAN CHANGE THE FUNNY STORY TO HER PAINFUL PAST」

 ダンさんが俺の肩を掴み、俺の目を見た。

 ダンさんが言った言葉は不思議と訳せた。

 ・・・不思議じゃねーか。普通に小学生でも訳せる単語並べてくれたんだろうな。

 俺、かっこ悪。ダンさん、かっこ良すぎ。

 「GO SHOTA」

 ダンさんが優しく俺の背中を叩くと、ダンの隣でサラさんが頷きながら微笑んだ。

 「アイム ゴーイング」

 リビングを飛び出し、教会へと走る。





 『過去は変えられないけれど、辛い過去を笑い話に変える事は出来る』

 ダンさんが言った言葉。訳が間違ってなければ。

 『地面に頭擦りつけてでも謝れ』

 地面に穴あけてでも、頭蓋骨カチ割ってでも、許してもらえなくても、サヤ子の過去を、記憶を、思い出に変えてくるから。

 あの頃、サヤ子が毎日見ていた風景の中を駆け抜ける。