やっぱり、好きだ。

 
 「正直に全部話せばいいだろうが」

 「『サヤ子の事好きだったけど、他の女とヤリたくて、ついサヤ子をストーカーに仕立てあげました』って?? ・・・そんな事言ったらサヤ子が傷つく」

 「・・・・はぁ!!?? 翔太、ふざけてんの??」

  最早、ガンギレの森田。

 「なにが『サヤ子が傷つく』だよ。翔太がサヤちゃんに軽蔑されたくないだけだろ。サヤちゃんの事、ずっと『ストーカーだった女』のままにしとくつもりかよ」

  森田が俺を睨みつけた。森田の言葉が鋭すぎて痛い。

 「いい加減腹括れ、翔太」

 「・・・うん」

 力なく変事をする俺の背中を森田が『バシッ』と背中を叩いた。

 「・・・森田、サヤ子に腹括る前に森田にも括っとかなきゃいけない事があんだけど・・・」

 「・・・はぁ??」

  森田が再びイラつき始める。

 「大学の時、森田がサヤ子に告ろうとしてたの、邪魔した。サヤ子が森田のバイトあがりを待ってる時に偶然会って『彼氏でもない男をずっと待つとか、ストーカーみたい』って言った。・・・ごめん」

 「・・・お前、まじで最低だな。ごめんじゃねーよ」

  森田が『キレる』どころの話しではなく、怒りに満ち充ちていた。