―――――早く来いって言ったって、そんなに早く来ないのが夏休み。
期末の問題作らないとだし、その後の採点もだし。
・・・そんな事より、瑠美の事をしっかりしないと。
結局何を言っても傷つける。でも、安田や朝倉先生が言ってた通り『誠意』を伝えたい。
・・・どうする?? 俺。
喉が渇いたから来た自販機の前で、何を買うかさえも決められない。
「買うの?? 買わないの??」
振り向くと瑠美がいた。
「・・・あ・・・ゴメン、先いいよ」
順番を譲ると瑠美は迷う事なくミルクティーのボタンを押した。
「相変わらず好きだな、ミルクティー」
何も考えずに発した俺の言葉に、
「私は何でも一途」
瑠美の意思の入った返事がきた。
「・・・どうしても、高村先生がこの学校に来なかったらって思ってしまう」
瑠美がミルクティーを強く握りしめた。
「瑠美・・・ちょっといい??」
生徒が通るかもしれないここでは話せない。
瑠美と資料室に向かった。



