やっぱり、好きだ。

 





 職員室に入ると既に安田は出勤していて、サヤ子と楽しそうに笑っていた。

 「おはよう。安田、昨日のお金。ありがとな」

 2人に近づき安田にお金を渡すと、

 「お・・はようございます。・・・青山先生、安田にお金借りたんですか??」

 サヤ子が不思議そうな顔で俺を見上げた。

  「昨日、青山先生と飲みに行ったんだけど『俺が奢る』って言ってたくせに先に潰れたんだよ、青山先生」

 安田は『大変だったー』と子猫の様な目をサヤ子に向けると、サヤ子は『よしよし』と安田の頭を撫でた。

 ・・・『よしよし』じゃねぇし。

 「いつの間にか仲良くなってるし。私、安田と青山先生は気が合うと思ってたんだよね」

 サヤ子が嬉しそうに笑った。サヤ子が笑うとなんかつられて笑ってしまう。

 「しっかし、安田って顔だけじゃねーの。中身も相当な男前」

 「もう黙って、青山先生。男に褒められても嬉しくない」

 折角褒めたのに冷たい安田。