やっぱり、好きだ。

 
 「安田って『なんとか盛り』好きだよな。あと、ジントニックと厚焼き卵も。高1からずっと好きだったんだなー、サヤ子の事」

 「『なんとか盛り』のお得感、最高っしょ。つーか、何その年季入ったサヤ子愛。昔のサヤ子センセって今と違うの??」

  酔っ払い始めた安田は、俺に友達感覚で話し掛け始めた。

 それが、全然嫌じゃなくむしろ楽しい。

 「サヤ子、今は真面目ぶってるけど、本当は変態か??ってくらい面白い奴でさー」

 「あー、その片鱗はあるね。分かるわー」

  安田は頷きながら、運ばれてきたものを綺麗にテーブルに並べた。

  酒入っていてもこんな事を無意識で出来る安田は、絶対にA型と密かに断定。

 「俺、高校デビュー組でさー、目立つ男子グループに入ってはギャルな女と騒いでた様な奴で。サヤ子はギャルでもダサくもなくフツーの女子高生で・・・でも、サヤ子はいっつも笑って楽しそうだったんだよ」

 「見えるわー、チャラつく青山先生」

 安田が目を閉じ、想像の中の俺をケタケタ笑った。

 「サヤ子はいっつもリブってコと一緒いて、ちなみにリブとサヤ子は同中で、リブからサヤ子は『ナイジェ』って呼ばれてて・・・」

 「リブ?? ナイジェ??」

 安田は首を傾げながらも興味深々だった。