やっぱり、好きだ。







 「・・・で??」

 席につき、乾杯もせずに本題に入ろうとする安田。

 「ハイ、お疲れー」

 そんな安田をスルーし、ビールを持った手を突き出し乾杯を促す。

 「あー。もー。自分が世界の中心かよ、このヒト。ハイ、お疲れ様でーす。かんぱーい」

  安田は面倒臭そうにビールを持ち、俺のグラスにぶつけ、勢いよく喉を鳴らしながら飲んだ。

 あっという間にビールを飲み干した安田が口を開く。

 「・・・で、青山先生がアメリカ行かなきゃいけない理由って?? あ、すいませーん、生中と串盛りと漬け盛りと刺し盛りくださーい」

  完全にスイッチの入った安田が注文をしながら俺に話かけた。

  盛り盛りもりもり、腹ペコか、安田。

 「盛ってばっかだな。あ、生中もう1つ。んーとな、アメリカの友達ってゆーのが、まぁ、大学時代にサヤ子の事好きだったわけ」

 俺も負けずにグラスを空ける。