やっぱり、好きだ。

 






 「青山先生、夏休みにサヤ子センセとアメリカ行くんですね」

 月曜日の放課後、帰宅準備をしていると安田に話し掛けられた。

 「あ、サヤ子に聞いたんだ??」

 「・・・まぁ。サヤ子センセに桜井先生との事話してないんスね」

 安田は、夏休みに胸を躍らせている俺の態度にイラっとしている様で、面白くなさそうな表情をしていた。

 「・・・何で??」

  「サヤ子センセ、気にしてましたよ」

 安田のまどろっこしい話し方に、俺も若干イラつく。

 「何を??」

 「『大学時代の共通の友達に会いに行くとはいえ、2人で旅行に行って、部屋は別でも同じ家に宿泊とか、桜井先生にとっては絶対嫌だと思う』って」

 安田の言葉に、1人浮かれていた自分が恥ずかしくなった。

 でも、サヤ子らしいなと思った。