やっぱり、好きだ。

 
 教員のボーナスナメんなよ、森田。『自腹』と言われて怯む俺じゃねぇんだよ。

 「イヤイヤ、『真面目に』は嘘だろうが。つか、今からホテルなんか取れるかな??」

 次はホテルの話を持ち出してグダグダ言い出す森田。

 「森田ん家泊めろよ」

 「はぁ?? 無理。」

 「何でだよ」

  森田、俺のアメリカ行きを阻止しようとしてんのか??

 「・・・ホストファミリーに聞いてみよっか?? サラさんの家、お部屋いっぱいあったし、青山くんも泊めてくれるかも」

 森田に拒否られ続ける俺を見かねたのか、サヤ子が助け舟を出してくれた。

 「まじか!! 是非とも聞いて。今すぐ聞いて!!」

 すぐさまその船飛び乗ろうとするも、

 「・・・い、今すぐ??」

 俺のがっつき具合に引き気味になるサヤ子。

 「今すぐ!!」

 それでもグイグイ責める。だって、サヤ子からこんな事言ってくれるという事は、俺、そこまで嫌われてないのかもしれない。

 二重で嬉しい。

 俺の勢いに押されて、サヤ子が携帯を取り出し、メールを打ち始めた。

  「今日中には返事来ないと思うから、サラさんから連絡きたら教えるね」

 メールを送信し終わり、携帯を鞄にしまおうとするサヤ子の手を止めた。