やっぱり、好きだ。

 
 「サヤ子も俺に全然言ってくれないのな」

 サヤ子もサヤ子だ。この話といい、安田とのキスといい、何故俺に隠すんだ。・・・イヤ、報告の義務はないんだけども。・・・モヤモヤするだろうが。

 「この前言おうとしたんだけど・・・」

 あ、そういえば、駐輪場でサヤ子が何か言おうとしたの遮ったかも。

 あぁ。あれは『アメリカで森田に会えるから、今日は遠慮します』って言おうとしてたのか・・・。

 ・・・てことは、俺と飲むのが本気で嫌で、今日の飲み会断ろうとしてたんだ。

 ヤバイ。相当ショック。

 「・・・森田くんに甘えてアメリカ行かせてもらおうかな・・・」

 「うん? おいでよ。つーか、約束。今の言葉に変更は許しません」

 俺が落ち込んでる間に、サヤ子と森田の話は進んでいた。

 ・・・アメリカで、サヤ子と森田が2人で会うの??

 森田・・・実はまだサヤ子が好きなのか??

 ・・・無理!! 絶対無理!!

 「俺も行く」

 『え!??』

 俺の予想外の言葉に、サヤ子と森田が驚いて俺を見た。

 「どうでもいいけど、マイルはサヤちゃんの分しかないぞ。翔太は自腹」

 「いいし!! 問題ないし。真面目に先生やってるから、アメリカ行くくらいのお金あるし」

 異国で気分が盛り上がた男女に何か起こっても不思議じゃない。

 2人きりになんてさせない。