「それ、本当??」
千佳の言葉に、サヤ子が『コクリ』と頷く。
「・・・それじゃ、ホントにストーカーじゃん。ストーカーが友達とか、あり得ない」
蔑む千佳の顔を見れないサヤ子は、申し訳なさそうに俯いた。
「・・・ごめん。ごめんなさい」
何も悪い事をしていないのに謝るサヤ子を、 千佳は気持ち悪いものを見るかの様な目で見ると、何も言わずに立ち去った。
ヘタっとその場に座り込み、両手で口を塞ぎながら泣くサヤ子。
「サヤ子」
サヤ子に近づき、サヤ子の肩に手を置くと、サヤ子は驚いて振り返り、慌てて涙を拭った。そして、
「今までずっと、ごめんなさい」
俺に頭を下げた。
「サヤ子、違・・・」
言葉が出てこなかった。 謝りたいのに何を言えば良いのか分からなかった。
「ノート、いらなくなったら捨てて。私、コピーがあるから。もう、翔太・・・青山くんにつきまとったりしないから。絶対」
今まで俺を名前で呼んでいたサヤ子は、俺を『青山くん』と言い直し
「ずっと嫌な思いしていたのに、我慢してくれていたんだね。気づかなくて、本当にごめんなさい」
もう一度俺に謝罪の言葉を言うと、俺から離れて行った。



