「・・・ペナルティー、何ですか??」
青山くんに突かれた頬に手を置き、青山くんを見上げる。
「んー。今思い付かないから追々お知らせって事で」
・・・余計に怖い。後々何言われるんだろう。
「そういえば、サヤ子。保健室で俺に何か言いかけてたよね??」
青山くんは、ペナルティーは思いつかないけれど、忘れていた事は思い出せるらしい。
「なんであの時『諦めて教師になった』みたいな嘘言ったのかなーって思っただけです」
青山くんは、楽しそうに先生やってるのに、なんで『しぶしぶ』みたいな言い方をしたのかが、さっきちょっと引っかかっていた。
「嘘って・・・。人聞き悪いんですけど」
「数学教えるの、昔から上手だったし好きでしたよね?? 青山先生は教師にもロボット博士にもどっちもなりたかった人で、片方を選んだだけで諦めて教師になった訳じゃないでしょう??」
教え子が卒業後も慕って尋ねてくるほど、青山くんは素敵な先生だ。あんな言い方をされたのが、少し寂しかった。青山くんに否定して欲しくて、何故か薄っすら怒り口調になってしまった。



