「私を隠した事じゃなくてですよ。なんであんな難題を??」
「まぁ、無理だろうねー」
青鬼再来。『どんだけ噂を鎮められるか見ものだねー』なんて、笑う青山くんの笑顔が若干怖い。
「無理って分かってて、何で2人に期待持たせる様な事言っんですか??」
「サヤ子、俺の事どんだけ鬼だと思ってんの?? 無理だったとしてもあの2人は来年同じクラスにするって。アイツらが知らないとこでアイツらを悪者にして悪かったって思ってるし。とりあえず、アイツらには頑張ってもらって、少しでも噂が消えた方がイイっしょ」
青山くんは、鬼ではなかった。
青山くんは校長先生に2人の実名は出していなかった。
実際には誰も悪者にしないで安田と私を助けてくれた。
「やっぱり、青山くんは優しいですね。・・・本当に何かお礼させてもらえませんか?? さっき、断られたのにしつこいんですけど・・・」
ストーカーだった私に何かをされるのは、気持ちが悪いかもしれない。だけど、ストーカーだった私を何だかんだ助けてくれる青山くんに、私も何かを返したい。



