やっぱり、好きだ。

 

 「来年一緒のクラスになれなくていいの?? 私の事、その程度だったんだ??」

 池本さんが川田くんを睨んだ。

 何故そうなる、池本さん。無理なものは無理でしょうよ。

 「・・・噂、消すから約束守れよな、青山」

 川田くんは、好きな女の為に無理な事を可能にするらしい。

  川田くんは池本さんの手を引いて放送室を出て行った。





 「・・・頭気を付けて。ぶつけんなよ」

 2人がいなくなると、青山くんが私が隠れているブースに近づいてきた。

 青山くんに手を引かれブースから出ると、青山くんが、私のひざについた埃を払ってくれた。さっきまで青鬼だったのに、何なんだ?? この優しさは。

 「・・・ありがとうございます。あの・・・何でですか??」

 「ゴメンて。サヤ子がいると色々口出すでしょ」

 『ゴメン』と言いながらも、そんなに悪びれていない青山くん。

 しかも、 違うし。 その『何で』じゃないし。というか私ってそんなに口うるさいイメージだったの!??

 ・・・まぁ、口出してたな・・・。 だって・・・。