やっぱり、好きだ。

 

 1階にある保健室から2階の放送室に行くべく、階段を駆け上る。

 息を切らせながら放送室の扉を開いた。

 「青山先生!?」

 「サヤ子!?」

 呼んでもいない私の登場に焦った様子の青山くん。

 「アイツら来ちゃうから、サヤ子は早くどっか行って」

 そして、青山くんが私を追い払おうとした。

 『どっか行って』って、何を小学生みたいな事を。

 「何の呼び出しですか?? 川田くんって、保健委員の川田くんですよね??」

 どっかには行かず、逆に青山くんに近づいた時、

 「青山先生、入りますよ」

 扉の向こうから川田くんの声がした。

  「うわ。サヤ子、ちょっとブースの下隠れろ」

 今度は私を狭いブース下に追いやろうとする青山くん。

 「何でですか!??」

 「いいから!!」

 青山くんは強引に私をブースに押し込めると、何事もなかったかの様に『どうぞ』と川田くんたちを招き入れた。