やっぱり、好きだ。

 
 「・・・」

 安田は何も言わず私の手を引いてベッドに腰を掛けた。

 腰を掛けた安田と私の顔の高さが近くなる。

 ドキドキしすぎで目が泳ぐ。

 「・・・キスくらいサラっと出来る大人になりたかったよ・・・。私、心臓はち切れそう」

 緊張の余り涙目になる私をみて、安田は少し笑うと、私がキスをし易いように私の腕を自分の肩に回した。

 「あんま焦らさないで。俺、心臓もたない」

 私の髪を撫でると、安田が目を閉じた。

 全力疾走したのか??ってくらいに心臓が苦しい。落ち着け!! 私!!

 小さく深呼吸をして、安田の唇の位置を確認して、自分も目を閉じ、安田の唇にそっと自分の唇を重ねた。

 「っん??」

  安田の腕が私の腰に回った。そして、安田の舌が私の歯茎を這う。

 「待っ・・・」

  口を開くと安田の舌が口の中を動き回った。

 「は・・・ん・・・」

 安田の腕の力が強くて身体が離れない。というか、力が入らない。

 足の力が抜けてしまい、バランスを崩しかける私を安田がしっかり抱きしめる。

 最早パニック。

 普通の三十路より圧倒的に場数の少ない私は、こんな時どうすればいいのか分からない。 全く頭が働かず、されるがままの状態でいた時、