「安田がもっと嫌な奴だったら付き合えたのに。安田はすごく大事な人だから、付き合えない」
「・・・褒めながら振るし」
安田は小さい溜息を吐いた後、切なそうな顔をしながら少し笑った。
「これ以上粘ると、サヤ子センセに嫌われそうだから男らしく諦めるよ。サヤ子センセの気持ち、分かったから」
「それはない。私が安田を嫌うことは一生ない。大事だって言ったじゃ・・・」
言い終わる前に、安田に腕を掴まれ抱き寄せられた。
「サヤ子センセ、卑怯。振るならそういう事言わないで」
安田が私の首に顔を埋めた。
安田の息が肩にかかる。自分の体温がどんどん上がってくのが分かる。
・・・って、甘い空気に飲まれてる場合じゃない!!



