やっぱり、好きだ。

 




 あっという間に噂は流れ、安田と私は昼休みに校長室に呼び出された。

 校長室は教務室の奥にある為教務室に入ると、教師陣の刺すような視線が一斉に私に向いた。

 ベテランの教師たちには『今年採用組は失敗だった。新学期早々に問題起こすなんて』『安田先生はともかく、高村先生は30手前にもなって何を考えているのかしら。常識がないのかしらね』と敢えて聞こえるコソコソ話をされた。

 「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

 肩身の狭い思いをしながら先生方に頭を下げ、身体を起こした時、青山くんと目が合った。

 難しい表情をしている青山くんが、なんとなく怖くて、すぐに視線をはずし、そそくさと校長室へ急いだ。

 「失礼します」

 校長室のドアを開け中に入ると、既に安田はいて、校長先生と向かい合ってソファに座っていた。私が座れる様に、奥に少し身体をずらしてくれた安田の隣に腰を掛ける。

 「早速ですが、生徒たちが噂している話は知っていますね??」

 私が座ると、校長先生が口を開き、担当直入に質問をしてきた。

 「はい」

  淀む事なく返事をする安田。