やっぱり、好きだ。

 


 唇を離すと『やっと出来た』と笑いかける安田。

 「キミが、今のサヤ子センセと同じ歳になった時、俺みたいなイケメンな後輩に迫られるような女になれているとは到底思えない」

 目を見開き固まる私を他所に、安田は馬鹿にした様に女子生徒に言い捨てた。

 「はぁ?! 教師が生徒の前で何してんの。信じらんない。行こ!!」

  安田に憤慨した女子生徒は、川田くんの手を引くと、保健室の扉を乱暴に開け、出て行った。




  「ビックリした??」

  硬直したままの私に無邪気に笑いかける安田。

 「アイツら、面白がって言いふらすかもな」

 『笑ってる場合じゃねぇだろ』と青山くんが肩で安田をど突いた。

 ヤバイ。確実に処分対象だ。ぼーっとしている場合ではない。