やっぱり、好きだ。

 
 「川田くん、完全に予定表見間違ってるよ。それ、夏休み明けだよ」

 入って来たのは1年の保健委員の川田くんだった。川田くんの後ろでは、川田くんにしなだれかかりながらくねくねしている女子もいた。

 コイツら、私がいない隙に保健室に来るという事は・・・。

 「・・・お前ら、サヤ子センセがいない日を狙って来るとか、保健室はラブホじゃねぇぞ」

 安田が呆れながらため息を吐いた。

 やっぱりそういう事か・・・。

 「体育倉庫のマットは空いてなかったのかよ」

 青山くんはふざけるし。

 「本当ですよね。しゃあしゃあとベッド使おうとしてんじゃねぇよって話だわ」

 安田は乗っかるし。やっぱりこの2人は馬が合うらしい。

 イヤ、そうではなくて。

 「川田くん、何の用事だったの??」

 分かってはいるが一応聞いてみる。違う理由かもしれないし。というか、別な理由であって欲しいという希望。

 川田くんに問いかける私を見て、くねくね女が『フッ』と息を漏らして笑った。