「痛った!! 首『グンッ』って言った!! 『グンッ』って!! サヤ子センセー!!」
首を摩りながら私に泣きつこうとする安田。
「学校だっつーの」
青山くんが、そんな安田の頭を掴み、自分の方に引っ張った。
「だから、痛いって!! ほんっとにいっつも青山先生って邪魔」
「あぁ!??」
いがみ合っているのか、じゃれ合っているのか。なんだかんだ青山くんと安田は気が合うと思う。 「まぁ、俺も他人の事言えないんだけどなー。俺、大学院残ってロボットの研究とか開発とか続けようとしたんだけど・・・。ロボット工学ってさ、工学とか数学出来るだけじゃダメなんだよな。発想力がないと。俺にはそれがなくて・・・。諦めて教師になった」
しょっぱい顔で笑う青山くん。
青山くんの言った『諦めて』が引っかかった。
「青山先生って・・・『アレ?? 高村先生って身体測定の準備で今日保健室空けるんじゃなかったでしたっけ??』
喋りかけた時、保健室に誰かが入って来た。



