やっぱり、好きだ。

 
 「サヤ子が簡単に昔からの夢捨てるヤツに思えなかったから、安心した。ちょっと疲れちゃったんだろ?? だから、1回看護師の仕事離れたかったんだろ?? ・・・俺もサヤ子と一緒に働きたい。だから、まだ看護師に戻んないで」

 安田に聞き返したはずの私の疑心を、青山くんが払ってくれようとするから、涙腺が崩壊しかけてしまう。

 「つーか、俺が教師になった理由なんてもっとしょーもないもん。大学時代、バンド組んでてさ『バンドで食ってく』って思ってたけど、どっかで自信なくて、才能もなくて。自分で薄ら気付いてたから教職課程取って保険かけて。で、結局保険使っちゃたよねー」

 私に気を遣ってわざと自虐してくれる安田。どこまでも優しい。

 しかし、この見た目でバンドマンだったのか、安田。引くほどモテただろうな。と、想像しただけでちょっと引く。