やっぱり、好きだ。

 
 「もう少しこの仕事続けたい。今の仕事、好きなんだ。でも看護師の仕事も好きだったから、いつか病院じゃなくても町の診療所で働かせてもらえたらいいな」

 奥歯を噛みしめながら作った笑顔は、どんなに情けなく見えただろう。

 私の居場所はここにもなかったのかもしれない。

 「・・・良かった。まだ看護師に戻らないでよ。俺、サヤ子センセと一緒に働きたい」

 安田が、やるせなく笑う私に笑顔を返してくれた。

 嬉しくて、歓迎されていないんだと思っていたからホッとして、ちょっと泣きそうになった。

 「・・・『すぐに投げ出す奴』って軽蔑しないの??」

 だけど、安田は優しいから、本心を伏せてくれている様な気がした。