やっぱり、好きだ。

 
 安田の笑顔に和んでいると、

 「サヤ子先生、今、大丈夫?? あ、安田いたんだ」

 今度は青山くんが入ってきた。

 「青山先生も今の時間授業ないんですか??」

  さっきまで可愛く笑っていた安田が、一瞬にして不機嫌になった。

 「まぁ・・・。あからさまにそんな嫌な顔されると逆に気持ちいいわ」

  青山くんがそんな安田の頭をポンポンと撫でて笑った。

 そのあしらいに、安田の機嫌が更に悪化した気がした。が、その様子を気に留める事なく、青山くんは私たちの傍の椅子に腰を掛けた。

 「サヤ子、朝、瑠美と何話してたの??」

 早速口を開いた青山くんの話したい事は、桜井先生の事だった。

  「『なんで看護師辞めてこの学校に来たんですか??』って聞かれただけ・・・です」

 桜井先生の質問にはきっと『青山くんのストーカーだった人間に、この学校に来て欲しくなかった』という気持ちが入っているんだと思う。

  「なーんかちょっと、質問が否定的な気がするね」

 安田が『んー』と唸った。

 「・・・やっぱり安田もそう思う??」

 意気消沈の私に、青山くんが追い打ちをかける。

 「俺もそれは疑問だった。サヤ子、看護師になるのずっと夢だったじゃん」

 桜井先生が嫌がっているのだから、青山くんが私を気持ち悪く思わないはずがない。