やっぱり、好きだ。

 
 「わ・・・私たちも行きましょうか」

 だからと言って、2人別々に職員室に行くのも不自然なので、桜井先生と一緒に行く事にしたのだが

 「あの、高村先生」

 桜井先生に呼び止められた。

 「・・・はい」

 今度は何を言われるのだろう。青山くんに関する事に決まっているけれど、どんな言葉を返しても信じてもらえそうにない。

 「・・・翔太、高村先生に罪悪感があるんだと思うんです。だから『そういう事じゃない』

 ポツリと話し出した桜井先生の言葉を遮ったのは、青山くんだった。

 「もう1回話そう。俺の勝手な言い分だから、瑠美が納得出来るまで何回でも話すから」

 私たちに近づき、桜井先生に何やら深い話しをし出す青山くん。

 部外者な私がここにいていいのか分からなくて、そーっと1人で職員室に行こうとした時

 「サヤ子先生、今日ちょっと話せる??」

  青山くんが私の腕を掴んで止めた。

 「・・・あ、はい」

 青山くんは、私に何の話があるのだろう。

 私の腕を握る青山くんを、どうして桜井先生は泣きそうな目で見ているのだろう。