やっぱり、好きだ。


  「・・・翔太は根に持つタイプじゃないから、大丈夫ですよ。高村先生」

  桜井先生が私の腕を握る青山くんの手を掴み、下ろした。

 「・・・まぁ、若気の至りってありますよね」

 朝倉先生は、私に気を遣ってか困り顔になりながらも笑いかけてくれた。

 「・・・すみません、気を遣わせてしまって。空いたお皿洗ってきます。それだけ片したらお先に失礼しますね。・・・こんな空気にしておいて逃げるっていうのも卑怯極まりないんですけど・・・」

 みんなの顔を直視出来なくて、頭だけ下げると、 何枚かお皿を重ねて持ち、キッチンに逃げようと立ち上がった時、

  「サヤ子センセ、手伝うよー」

 安田も一緒に立ち上がった。あんな話を聞いた後でもいつも通りに優しく接してくれる安田。嬉しいけど、有難いけど、勝手な言い分だって分かっているけれど、放っておいて欲しい。今はこれ以上突かないで。お願いだから。