「・・・え??」
俄かに信じられない様子の安田が、半笑いで聞き返す。
「・・・ストーカーだった。 あの頃、青山くんの事が好きで、大学まで同じとこに行ってつきまとってたんだ。私」
アルコールは涙腺を緩くする。加害者のくせに泣こうなどとする卑怯な自分を、必死に抑えつける。
「ねぇ、何言ってんの?? サヤ子」
青山くんは怒った様な低い声を出すと、私の二の腕を掴み『何で!?』と言いながら揺すった。
『何で!?』って、じゃあ、青山くんは『サヤ子は俺の』の後なんて言ってた?? 『クラスメイトだった』て言ってくれてた?? だとしても、腹の中では『ストーカー』って思っているでしょう?? それに、一時的にこの場を切り抜けたとしても、この調子だと、今後また昔ばなしに花が咲いた時、いつかバレる時が必ず来る。隠蔽なんて無理だ。



