やっぱり、好きだ。

 
 「いえ。そんな事ないです」

 青山くんの話を訂正すると、

 「そんな事あるだろうが。 カテキョもしてたし、留学もしたし、受験の時だって教えてくれたじゃん」

 青山くんが、私の訂正を否定した。青山くんの口から、じわじわと過去の情報が漏れ出す。

 下手に言い直さずに聞き流しておけば良かった。

 「受験?? ・・・高校も一緒だったんですか??」

  朝倉先生が『受験』と言う言葉を聞き逃さなかった。

 高校も一緒だった事もバレてしまった。

 だめだ。隠し通せない。

 「そう。サヤ子は俺の・・『ストーカーだった』

 青山くんが言わんとするその先の言葉を自ら白状する。暴露されてしまうなら、自白した方が自分が少しでも傷つかない言葉を選べるから。

 自分が悪い。分かってる。でも、お願いだから反省した過去の傷を乱暴に抉らないで。

 和やかだった空気が固まった。